グロテスク

グロテスク〈上〉 (文春文庫)
桐野 夏生
文藝春秋
売り上げランキング: 1971
おすすめ度の平均: 4.5
5 過剰であるということ・・グロテスク
5 すごすぎる
5 女性にとっての格差社会を描ききっている
5 女性独特の残酷さや陰湿な心理描写が絶妙
4 石原真理子の壊れかたが理解できました



今まで読んだ小説の中で、一番グロテスク。
主要な登場人物の中に1人も普通の人がいない。バランスが取れていない。

生きていく為には、なんでもする。
自分を本当の意味で客観的にみる事の難しさと、それに囚われすぎて、主観を見失ってしまう怖さ。
世の中には、絶対というものが結構あること。

文中では“美”が絶対のものとして取り上げられている。
絶対に対して、“努力”がいかに儚いものか。



んー、なんて書いて良いか分からない。


解り切っていたような事である気もするし。


ただ、ある考えを思い出した。

自分が、16歳の頃の事だったと思う。
自分は、他の人の頭の中に存在するんだ、って思っていた。
目の前に座っている友人、通りすがりで自分の姿が目の端に入った人、そういう無数の人の頭の中に自分いる。

他人の頭の中を自分を育てれば、自分が育つ。




こんな事を考えていました。


この本を読んで、この理屈のバランスの大切さを思ったのかな。


他人の頭の中の自分を一切見失ってもダメだし、他人の頭の中の自分だけを追っていてもダメ。

自分の絶対を見つけ出す事が答えなのか。


それとも答えなんか出さなくても良いのか。



そんな事を考えながら、

国家の品格 (新潮新書)
藤原 正彦
新潮社
売り上げランキング: 1316
おすすめ度の平均: 3.5
4 国家とは
4 独自の文化を大切にしたい
1 国も文化も関係ないだろう。
4 同感の人が増えればいいなと
4 「日本国」 再考のきっかけ

を読んでいます。

この本は、発売当初に幼馴染の友人に勧められていたのに、いまだ読まずで気になっていた本です。


まだ途中だけど、非論理の大切さを書いている。

グロテスクを読んだ後に、国家の品格
似て非なる物だと思いきや、自分の中ではストーリーになって頭に入ってくる。



ちょっとづつ自分探しは前進中。
もう少し、あと少し。