模倣犯

模倣犯〈下〉

模倣犯〈下〉

火車」以来の宮部作品。
こんなに人の内面をスマートに描かれると辛い。
人間の混沌とした精神世界を書きながらも、その先に人間の可能性をちらっと書けるバランス感覚。見事だと思いました。


ストーリーとは関係ないところで、感想がひとつ。

人はそれぞれ、自分の王国をもっていて、そこの支配者である。
その国を、どの国と同盟させるか、どの国と戦うか、どのような規模にするか。
それらを決めるのは、王様。
という比喩が作中に出てくる。

この比喩にちょっとしっくりくるものを感じた。



さぁ、コウジ王国はどこに向おうとしているのか。


どんな王国になるのか。
王様は今悩んでいます。