国家の品格と佐藤優さん

国家の品格 (新潮新書)
藤原 正彦
新潮社
売り上げランキング: 1715
おすすめ度の平均: 3.5
4 国家とは
4 独自の文化を大切にしたい
1 国も文化も関係ないだろう。
4 同感の人が増えればいいなと
4 「日本国」 再考のきっかけ

情緒と形の国、日本。
中身が空っぽの英語ぺらぺら日本人には外国に行って欲しくない。
というくだりは、その通りだと思った。

人を殺してはいけない理由、ダメなものはダメだから。

その通り!!
ある時期、どうやって説明して良いか悩んでいた事があった。自分も、結局はこの答えに行き着いたのだが、どうしても論理で説明しようと頭のどこかで考えていたので、とてもすっきりした。論理では説明できなくても、情緒や形に価値を認め、納得する。これを日本国家の優れた点として挙げている。

その上で、安易なグローバリズムを敬遠し、民主主義、自由主義経済を絶対正義とする、画一的な価値観の押し付けを一刀両断否定しています。

各国家の特色、文化、民族を尊重し守る事を良しとしていると理解しました。


国家という単位を守る事は、絶対なのでしょうか?
個々の文化、民族、宗教を尊重する事は大賛成です。しかし、それを守る為の国家と守られるべき文化、民族、宗教はセパレートできないのでしょうか?
例えば、アメリカ国家と中国国家が一時期領土を交換して治めてみるとか。
その時に、アメリカ国内で選挙がなくなり、共産党政権が誕生したり、中国国内で大統領選挙が行われたり。
うーん、こう考えてみると国家の持つ機能の問題だなぁ。
単にインフラ維持整備を存在意義とする国家だったら可能かもしれないけど、そこに文化や民族を代表するという意義を持つと、絶対不可能だよなぁ。
ま、色々考えますわ。

国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫 さ 62-1)
佐藤 優
新潮社
売り上げランキング: 1809
おすすめ度の平均: 5.0
4 元外交官の視点から見た1つの「真実」
5 知識欲を掻き立てられる本です
5 面白い。読んでおくべき一冊。
5 文庫本化まで未読とは不覚
5 法治国家の実像



最近、文芸春秋を定期購読しているのだが、最初に読む記事が佐藤優さんの“インテリジェンス交渉術”。
インテリジェンスとはまったく関係ない世界に生きていますが、とっても面白い。

著者とは共通点を多く感じる。
埼玉県の同じ高校の学区で育ったっぽいこと。(彼はトップの浦和高校、僕は通信制の大宮中央高校)。
クリスチャンとしての経験。(彼は現役信者、僕は元信者)。

彼と僕の共通点は置いておいて、著者の文章はとっても面白い。
たぶん、思考の指向が似てるんじゃないかな。

真面目な人なんだろうなって。
まず、自分の宗教感にはっきりとしたスタンスを持っている人って、その人の哲学が目に見えるという安心感があるのだとおもう。
このスタンスに基づいて、発言や行動様式が決定されているのだ、って思うとそのスタンスに対しての賛否を問わず安心感がある。
今回読んでいる本は、著者の名前を世間に広めた、鈴木宗男衆院議員との関わりと、共に逮捕に至るまでの経緯が書かれている。
しかし、まだ半分しか読んでいない段階だけれど、日本国の外交に関して(特に日露関係)、または官僚と政治家の付き合い方に関して、官僚がどのような思考パターンを持っているのか、どんな官僚のタイプがあるのか。外交のルールや専門知識、専門技術について書かれている。
そのどの部分をとっても、新聞に載っていない情報だ。
新聞はじめ、各種報道の限界を感じた。僕をはじめ国民は、報道でしか内政、外政について情報を得る事は出来ない。
その情報だけに基づいて、自分の政治に関してのスタンスを決めていくのはやめようと思う。