帰りのバスの中で

帰宅途中、いつも駅から家の近くまで乗るバスの出発を待っていた所、女子高生が同じバスに乗り込んできました。すると、その女子高生が、バスの外に向かって一瞬驚きに似た感情を表情に表しました。その視線の先には、よれよれのスーツを着た、冴えないサラリーマン。女子高生は、お父さんの悪い所は受け継がなかった幸せそうな可愛い子でした。顔に共通点が幾つもあります。ふたりは、親子なのでしょう。父親はバスに乗り込むと、娘の座っている席の前に立ちました。荒んだ一日を終えて、最愛の娘の顔を見た父親の顔には、その端正とはとてもいえない顔をわずかにゆがめて、愛情を持った父親にしか出来ない最高の微笑みをたたえていました。ここは、親子の一日を慈しみあう会話が繰り広げられるのかな、と思った途端ショックな出来事が。。。なんと、娘は手のひらを振り、父親に対し自分の席の前から離れるようにリクエストしたのです!!そして、冴えないサラリーマン父さんは、顔から微笑を消し、遠く離れた席に腰掛けたのでした。。。。
そのバスの行き先は、団地。狭い家なのでしょう。年頃の娘には、自慢の父親ではないのでしょう。恥ずかしかったのかもしれません。
お父さんは家に帰ったら、威厳を保てているのでしょうか。薄給を責められていたりしないでしょうか。生きる事に誇りを持っているのでしょうか?背中で娘に教育しているのでしょうか?妻は、母親は、父親を尊重するよう娘に教えているのでしょうか?

お金ではない、生きる事の素晴らしさを教えられる父親になりたいと思いました。

私の父は、夢と希望と誇りを持った素晴らしい父親だと思いました。お金は、あっても困らないけどね。。。