諦めろ
国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて (新潮文庫 さ 62-1)
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佐藤 優
新潮社
売り上げランキング: 792
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とっても面白かった。
最近はまっている、桐野夏生と好対照の一作。
桐野夏生の書く人間は、欲望、怠惰といった人間性を主観的に描く。
佐藤優さんの書く人間は、社会性を持った客観的な人間像。
見事です。
厚みがある著作でした。
国益をここまで真剣に考えて仕事をしている官僚がいた事に感動しました。
また、外務官僚の一言として
「日本人の実質識字率は5%程度。」
という発言が出てきた。
文字を読み、しゃべりブログを書きまくっている国民なのに。
と思いましたが、TV、新聞、雑誌等のメディアの焼き増しばかりで、独自の考えを発信する事のめったにない国民性を皮肉ったのかもしれません。
客観的に情報を判断する力を持ちたいと思いました。
自分の頭の中にある“普通”、“情報”とか、“常識”を構成しているのが、いかに根拠薄弱なものかを実感させられました。